痛快娯楽剣劇アクション!
タイトルにあるような「猫」要素を求める方には合わないかもしれません
(全4巻、2017年完結)
① ソ連に占領された戦後日本を生きる、夜梅と鶯の冒険譚
世界観だけ話すと結構ぶっ飛んだ設定ですが、これがまた面白い!
ソ連に占領された戦後日本を放浪する瞽女(盲目の三味線弾き)夜梅とそのお供、鶯。背景の至るところに配されているキリル文字。そして登場人物は「猫」。
これだけで設定を詰め込みすぎている感じがしますが、決してうるさくなく魅力的な世界に引き込まれていきます。
1話を読み進めると、さっそくこの物語の真骨頂。共産主義化を拒む輩へ「指導」を行う秘密警察「執行人(チェキスト)」と夜梅の剣戟シーンが拝めます。とても盲目とは思えない強さにそのバックストーリーを感じさせつつ、幕を引く。ページをめくる手が止まらない…
作品を通じて夜梅、そして鶯の行動には一貫性があり、人間?味あふれる豊かな登場人物の心情を味わえます。
② どんなあらすじ?
日本はソ連に占領され共産主義化し、反体制派の人間は「執行人」によって指導される社会となっていた。
そんな日本を盲目の三味線弾き夜梅は、手引きの鶯とともに放浪していた。
凄腕の剣士である夜梅は何者か?兄を探している鶯の歩んできた道とは?夜梅と鶯の関係は?放浪の目的は?
謎多き二人が繰り広げる、共産主義化された日本での冒険譚から、目が離せない…!
③ オススメポイントは?
登場人物を結ぶ人間関係!
この作品は、登場人物の心情、バックグラウンドが丁寧に書かれており、キャラクター同士のつながりが自然にかつ密接に書かれています。読み進めるにつれキャラクターの魅力が深まり、2週目を読むとなおキャラクターの心情が一層深く読み取れます。
一方でギャグめいた表現も多く、読んでいる中シリアス一辺倒になったりと偏ることもありません。
バランスがよく自然体で読み進めることができます。
④ 評価は?
1巻を読んで楽しめる方は、間違いなく4巻まで続きが気になって仕方がなくなる良い作品になると思います。
しかし、1巻の雰囲気(シリアスとギャグのバランス、「猫」「ソ連占領下の日本」「ゴゼ」と記号的な表現の多い世界観が肌に合わない人は、読むのが少々大変かもしれません。
一度、アマゾンの中身検索などでの試し読みをオススメします。
ちなみに宇河弘樹先生はあの「朝霧の巫女」の著者であります。読んだことのない方は、こちらもぜひどうぞ!
1巻の試し読みはこちらから(Amazonのなか見!検索から最初のカラーページが読めます)
これだけで設定を詰め込みすぎている感じがしますが、決してうるさくなく魅力的な世界に引き込まれていきます。
この作品は、登場人物の心情、バックグラウンドが丁寧に書かれており、キャラクター同士のつながりが自然にかつ密接に書かれています。読み進めるにつれキャラクターの魅力が深まり、2週目を読むとなおキャラクターの心情が一層深く読み取れます。
一方でギャグめいた表現も多く、読んでいる中シリアス一辺倒になったりと偏ることもありません。
好みは分かれると思いますが、1話が楽しめる方は、間違いなく最後まで楽しめる作品だと思います。
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