話が進むごとに背景が明らかになる群像劇、文明崩壊後の世界、隠された真実…
という言葉に惹かれる方にはぜひ読んでほしい一作。
(2017年2月に完結済みです。全10巻)
① 受け継がれる「リュウマ」という名。
タイトルにもあるようにこのマンガの中心となるのは「リュウマ」という名前を中心に語り紡がれる人類の歴史です。
様々な人物の視点から描かれる群像劇のような鮮やかさ、文明崩壊後の世界で過去の技術を掘り出しながら生活する世界観、化け物におびえて暮らす人々…。硬派なSFファンタジーの雰囲気を持つ素晴らしい作品です。
一巻だけでも「リュウマ」「ジン」「白皮(ハクヒ)」「世界の枝」という謎めいた言葉が出てきますし、人によって「リュウマ」へ抱く思いが全くことなります。これらの謎が鮮やかに明かされる本作品は必見です。
② どんなあらすじ?
人類の生活が「白皮(ハクヒ)」という怪物に脅かされるようになった世界では、かつて世界を救ったと言い伝えられる「リュウマ」が今も世界の各地に現れ、世界を救っている。
「リュウマ」はおとぎ話の世界と笑う者もいるが、目の前のリュウマの強さは疑いようもない。
「白皮」とは何なのか、「リュウマ」とは「ジン」とは何者なのか。
「白皮」と戦う代々の人類を通じて、物語は世界の真相に近づいていく――
③おすすめポイントは?
徐々に明かされるストーリーと魅力的な登場人物。
「リュウマ」の活躍を通じ、物語は真相に近づいていきますが、この作品、固有の名前というものがとことん排除されているように感じます。個人の思いは次なる世代に受け継がれ、世界は広くつながっていく…
このような壮大なストーリーが1シリーズでまとまっているのは、見事というほかありません。
登場人物も、宮下裕樹先生の魅力的な筆致で描かれ、中盤以降に出てくる特徴を持った集団「ブシドー」の面々は特に魅力的です。
ぜひ、ご一読ください。
④ 評価は?
多少難解な部分もあるので、人を選ぶ作品だとは思いますが、全体を通して、ページをめくりたくなる魅力が薄れることはありません。
最終巻にかけては多少の駆け足感こそありますが、きれいにまとめられており、言うことなし。オススメです。
1巻の試し読みはこちら からどうぞ(Hontoの立ち読みがAmazonよりも1p多く読むことができます。)
「リュウマ」の活躍を通じ、物語は真相に近づいていきますが、この作品、固有の名前というものがとことん排除されているように感じます。個人の思いは次なる世代に受け継がれ、世界は広くつながっていく…
このような壮大なストーリーが1シリーズでまとまっているのは、見事というほかありません。
登場人物も、宮下裕樹先生の魅力的な筆致で描かれ、中盤以降に出てくる「ブシドー」の面々は特に魅力的です。
ぜひ、ご一読ください。